ある記事を読んで

中国は卓球の世界的な王国です。
シドニー・アテネ・北京のオリンピック3大会で金メダルを獲得した中国卓球界の大スター王楠、元選手(37)が、自らの夫が日本を訪問した際にホテルで行った日本への嫌がらせを称賛するようなコメントを短文投稿サイトで発表したところ、中国のネット上で強い反発を招いている。という新聞記事に目が留まりました。

記事によると「中国では、満州事変の発端となった柳条湖事件が発生した9月8日は、日本による侵略が始まった日と位置付けられている。
王元選手は柳条湖事件から85年の先月9月18日夫の同日の投稿をサイトで紹介。

夫は「中国よりずっと小さな国にいじめられたのを忘れられない」などと言及した上で「過去に訪日した際は、腹いせにホテルの部屋ですべての蛇口を開いて水を流した」と明らかにした。
王元選手は夫を「何て率直なんだろう」などと称賛し「9・18を永遠に忘れない」と表明した。

これに対し、ネット上では「水資源は世界のものではないか」「病的で狭量な愛国主義だ」「嫌いなら訪日しなければいい」などと批判の書き込みが殺到しました。
王元選手は、夫の行動について「十数年前の幼稚な行為だった」と説明しながらも「9月18日という日付をみんな気にしないのか」などと反論した」という記事です。

柳条湖事件というのは1931年(昭和6年)南満州鉄道柳条湖付近の線路上で起きた軽微な爆破事件で、日本の関東軍はこの事件を張学良の東北軍の破壊工作によるものと発表し、関東軍がわずか5カ月で満州を制圧してしまいました。
そして、満州国建国に至ったのです。

中国人はこのことを日本による中国への侵略の始まりと言っているわけです。
この歴史事象だけを見るとただ単に、日本が侵略したのだなと思いますが、歴史とはそのような簡単なものではありません。
そこに至る深い脈絡があるのです。

ここでは紙面の都合で語ることはしません。

(詳しくは拙著「日本人の百年戦争」

展転社刊、第四章P179~P233を参照していただければ理解できると思います)

私がこの記事を読んで感じたことは中国国民も大分変ってきたなということです。
共産党一党独裁の国が、ネットで批判しあえる、それもまともに狭量的な行為に対して筋の通った意見で批判していることに安心感を覚えました。
日本人は過去の戦争には十二分に反省し謝罪も繰り返ししているにもかかわらず、靖国神社に首相が参拝すると大変な勢いで抗議をしたり、我が国固有の領土尖閣諸島を自国の領土だと主張し、周辺を中国船や戦闘機等で威嚇するなど、中国の理不尽な態度に、私は日頃から憤っていました。
それこそ、中国に対して狭量的にみていた自分がありましたが、少し中国人への見方が変わりました。中には冷静に物事を判断し、見ている
方々が居ることを知りとても嬉しく思いました。

アメリカ大統領選挙がどうなっていくのか。中東の戦乱、フィリピンのドウテルテ大統領のアメリカ批判、中国寄り言動、ロシアの動向等世界は混とんとしているといってよいでしょう。
日本はこのような世界の中でどのような立ち位置でいることがよいのか、冷静にベストな選択が求められています。
難しい舵取りです。
しかし、間違えることは許されません。
我々国民もこの世界情勢をしっかり見ていく必要があります。
大分気温も低くなってきました。皆さんには風邪などひかないように十分に気を付けてお過ごしください。

 

坂本 だいすけ

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です