感じたこと。

皆さん元気ですか?
何かアントニオ猪木さんみたいですが(笑)

三寒四温の中、春がやってきましたね。
3月は別れの季節。
そして、4月には出会いの季節がやってきます。

3月19日(土)にオートレース場のすぐ裏にあるバンビ保育園の卒園式に行ってきました。
卒園児12名の卒園式です。
一人一人に園長先生から卒園証書をいただきます。
いただいたその時、出席しているお父さんお母さんに向かって卒園証書を見せ「お父さん、お母さん、私はこんなに大きくなりました。小学校に行ったらなわとびを頑張ります。」などそれぞれの子ども達の思いを述べます。
子ども達は感極まって言葉になりません。
私や周りの先生方、保護者の皆さんも貰い泣きです。
そして、式が終了し退場してから担任の先生と園児は別れを感じているのでしょう。
先生と12名は皆号泣していました。
思わずまた貰い泣きです。
弱冠6歳の子ども達です。
よくもまあこれほどの感性が育ったものです。
バンビ保育園の保育や保護者の皆さんの子育てに感激し安堵して帰ってきました。
素晴らしいですよバンビ保育園。

さて、大阪市の中学校の校長先生が全校生徒の前で「これからは、女性は2人以上の子どもを産まなければ日本は無くなってしまいます。」と話をされたそうです。
その発言がマスコミにも取り上げられ物議を醸し出しています。
テレビのMCやコメンテーターは一様に怒りをあらわにして、「今どきこういう校長がいるんだ。自分の価値観を公務員が子どもに押し付けるのはケシカラン、選択の自由がある」など・・・・・。

私はこの校長先生は私心で自分の考えを、子ども達に誘導しようと思って言ったのではないと思います。
本当に少子化であったり、友だちを殺してしまったり、親や大人の子どもに対する虐待など、子ども達を取り
巻く現実の事象を捕えてやむにやまれぬ思いで、憂いを吐露したのだと思います。
話の中では、子育ては女性だけがやるのでない。
男性も協力して夫婦で協働して行うものである。
更に、女性の社会貢献についても社会が資格取得など子育てをしても支障がないように社会制度を整うべきであると言及しています。
コメンテーターなどは女性に出産を強要したなどと女性を軽んじ蔑視してるといいたいのだろう。
私には彼の真意は決して女性蔑視などというものではないと思います。
真にこれからの日本の将来を心配して子どもたちに語りかけたのだと思います。
私も教員をやり、校長をしていた同業者であったからわかります。
校長に限らず教師にはそれぞれ人生観、世界観があります。
それがなければ子ども達に少なからず人としての影響を与えることは出来ません。
教師は日々教育活動の中で人生観、世界観を語っているのです。
それを、取捨選択するのは子ども達なのです。
顔がそれぞれ違うように、育った環境も違います。
同じことを言っても受け止め方はそれぞれです。
それほど、目くじらをたてることもないと思います。

それよりももっとこの件で由々しく思うことが4つあります。

1つはこの問題が大阪市教育委員会へ匿名の電話が入ったことから問題がマスコミによって取り上げられ大きくなりました。
私も教育委員会という組織にいたことがありますが、匿名の電話は非常に問題解決がしにくいのです。
声なき声として受け止め大切には致しますが、匿名の電話が何故、このようにマスコミが大きく取り上げたのでしょう。
その脈絡がわかりにくいです。
匿名の電話をした人がマスコミにリークしたのでしょうか?
だとしたら匿名の方考えがあるのなら校長先生と堂々と考えをぶつけ合ったらどうですか?

2つ目はマスコミによると、大阪市の教育委員会がこの校長先生に対して処分を検討しているとのことです。
主訴は匿名の電話です。
子どもでも具体的な保護者でもありません。
もし処分が本当であれば校長先生がどのような瑕疵(かし)、つまり欠点があって処分するのでしょう。
人生観、世界観を子ども達の前で語っただけです。
教師はそれも仕事です。
私も38年間沢山の子ども達に人生観、世界観を語ってきました。
他の多くの先生方も語ってきているはずです。
組合活動をしてきた先生もそうでない先生も。
大阪市教育委員会が校長先生を処分する理由がわかりません。
マスコミに騒がれたからでしょうか?
怖ろしいことです。
それで処分するとすれば教師は子どもに自分の人生観、世界観を語れないということになります。
子どもは接した教師の良き影響を受けるのです。
違うと思うことは影響は受けません。
こどもはよく見ています。

3つ目は私がこの件で見た5チャンネルと6チャンネルのテレビ局のMCとコメンテーターが一人として校長の意を理解しようとせず批判の嵐でした。
批判は結構ですが1人くらいそうは言っても校長にはこういう意図があるのではないか、現に日本は少子化が進んでいるではないかというような冷静なコメントは1人もいなかった。
テレビマスコミの姿勢として正しい情報、公平公正な情報を国民に伝える使命のあるメデイアとして如何なものかと思ってしまう。
嘗て私も新聞ですが同じような目にあったことがあります。
この校長先生、報道、取材が入ってから心労は如何ばかりかと心配しています。
自分が言ったこととはいえマスコミに晒されることは大変な心痛です。
私はこれも経験したことがあります。

最後の4つ目です。
直木賞作家の山本一力氏が「この1週間、日本では1人の人を血祭りにあげて大騒ぎをしている風潮がある。わたしはこのような風潮は好きではない。」といみじくもテレビ番組でコメントしていました。
全くの同感です。
日本人は判官贔屓(ほうがんびいき)といって、困った人に、弱いものに心を惹かれるという気質があります。
いつの間にか、そんな気質が日本人に消え失せたとしたらこれこそ由々しいことです。

坂本 大典

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です