命のリレー

皆さんこんにちは。
 
私の父が1月9日老衰により天国に召しました。
98歳でした。
大往生でした。
父は昭和20年我が国が敗戦間もない頃、満州の大連市役所に勤めておりましたが、ソ連が満州に攻め入りそのまま捕虜として極寒零下50度のシベリアに抑留され、戦後約2年間抑留生活の後、奇跡的に帰国し昭和26年に私が生まれました。
 
当時、裸一貫で帰国した父に国はご苦労様の一言もなく当然の如く何の援助も恩恵もありませんでした。
家内は貧乏の連続で働き通しで「働けど働けで我暮らし楽にならずじっと手を見る」の心境に多々あったのではないでしょうか。
その中で大学まで行かしていただきました。
 
私が子どもの頃は裕福な家庭にあった友人を見るたびに羨んでいた自分を思いだします。
しかし、自分の人生観はこの時に築かれたことを今実感しているのです。
両親の子ども達を育てる毎日の必死さを子ども心に感じて。
 
父が亡くなり通夜の夜息子と二人で父の棺につきあいました。
そのときに御爺ちゃんがシベリアから日本に帰ってこれなかったら俺もお前もこの世でこうして出会うこともなかったんだよなあー。と話しました。
俺はお前出会えて嬉しいよというと俺もだよといってくれました。
なあーこれが命のリレーっていうやつだよ。
だからお前も御爺ちゃんからいただいた命のリレーをしていってくれよとしみじみ伝えました。
息子は真剣に「そうだね」と応えてくれました。
 
今年に入ってすでに三軒もの虐待事件で幼い子どもが亡くなっています。
たまらない思いでいっぱいです。
この事件でただ嘆いているだけでよいのでしょうか。
これは日本の危機を意味します。
家族の多かった時代から少子化に時代が変化してきました。
家族が多ければ多くの目で一人の子どもを見ることが出来ます。
兄弟や近所のお兄ちゃん、おねえちゃんから様々な経験を通して人間として必要な社会性を身に付けてきました。
少子化はそれを育むことが出来ません。
この現実を元に戻さなければ確実に日本社会は近い将来崩壊します。
その兆候がこのような現象として現われているのです。
今こそ子どもは社会全体で育てるという原点に戻って一から子育て・教育を見直していかなければならないと思っています。
それは、10・20・30・50・100年先の川口市の将来、日本の将来の為です。

坂本 だいすけ

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